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大阪市福島区福島駅の歯医者【やました歯科医院】

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ウイルス性肝炎と歯科治療

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こんにちは、大阪市福島区のやました歯科医院です。

 

ウイルス性肝炎は国内最大級の感染症といわれ、肝炎ウイルスに感染している人は

300万人~370万人にのぼる(日本人の約40人に1人)と推計されています。

 

今回はウイルス性肝炎と歯科治療についてお話を進めてゆきますね。

 

ウィルス性肝炎患者の歯科治療上で注意している点は大きく5つあります。

1)出血傾向への配慮

2)食道静脈瘤に対する配慮

3)創傷の治癒遅延

4)投薬上の注意

5)スタンダードプリコーション(標準予防策)の徹底

 

1)出血傾向への配慮

出血は主として肝機能の低下により止血に必要な血液凝固因子と線溶系因子の産生低下によるものと、

脾腫による血小板数の減少に起因します。ようは血が止まりにくくなる状態です。

そのため、抜歯などの観血処置が必要な場合は止血に関わる最新の検査値を確認する必要があります。

 

2)食道静脈瘤への配慮

肝硬変がある場合、門脈圧の亢進により食道静脈瘤を併発することがあります。

歯科治療によるストレスで静脈瘤が破裂する可能性も考えられるため、

内科主治医と連携する必要があります。

 

3)創傷の治癒遅延

肝機能の低下は、血清アルブミンを低下させるため,創傷の治癒遅延が起こります。

つまり、傷の治りが遅い状態です。日常生活での擦り傷、切り傷で傷の治りが遅いこともあります。

そのため、抜歯などの観血的処置の術後感染に配慮する必要があります。

 

4)投薬上の注意

肝機能が低下しているため、肝代謝型の薬剤(マクロライド系抗菌薬など)の

投与は禁忌となります。

そのため、抗菌薬なら肝障害が少ないペニシリン系かセフェム系を選択します。

また鎮痛剤(NSAIDs) は肝機能を悪化させることがあるので最小限の投与にとどめます。

 

5)スタンダートプリコーション(標準予防策)の徹底

感染予防対策を確実に守り、医療安全に務めることは現代の歯科医師にとってもはや常識です。

日常診療からの感染に最大限配慮をすることは,我々医療従事者の責務と思います。

 

 

肝炎ウイルスの種類

肝炎ウイルスは現在A~Eの5型が知られています。

 

A型:貝類や海外旅行での飲食によって感染。ワクチンがある

急性肝炎の原因になるが、劇症化する症例は少なく、治癒して慢性化するこはないと言われている。

 

B型:輸血や出産、刺青、性交渉、針刺し事故などにより感染。

日本では1986年にワクチンが導入され、若年者の感染は減少している。

また、2016年10月よりユニバーサルワクチネーション(国民全員が接種を受けるワクチン)が

始まったことから今後はさらに感染は減少すると予測されている。

現在の治療法では、ウイルスを完全に排除することは困難とされているため、B型肝炎が発症した

場合の治療は、肝硬変や肝がんなどのさらに重い疾患に進展させないことが治療の目標となる。

 

C型:輸血や血液製剤、刺青により感染。ワクチンはない

感染しても肝炎は重症化せず、急性肝炎としての自覚症状がない場合もある。劇症化は稀。

約30%ではウイルスが排除されるが、約70%はキャリアになり、慢性肝炎に移行する。

肝硬変や肝がんに進展する原因のもっとも大きな要因となっている。

 

D型:D型肝炎はB型肝炎ウイルスと重複して慢性肝炎を引き起こす。

世界的にはB型肝炎ウイルスのワクチン接種により減少傾向にあるとされている。

 

E型:豚、猪、鹿などの動物が保有するウイルスにより人にも感染する。

患者は従来は発展途上国に多いと考えられていたが、最近では日本でも感染が確認されている。

ワクチンはないため、生肉を食べないことが唯一の予防策

 

 

歯科では体液、血液を介するB型とC型肝炎ウイルスは特に注意が必要です。

以前では、梅毒、結核、ウィルス性肝炎,HIVなどの感染患者に対する院内感染の対策が

歯科治療上の重要項目でしたが、現在はそれ以外の様々な感染症に対する備えをしないと

安全な歯科医療を患者に提供できない時代になっています。

最近では新型コロナウイルス(COVID-19)もそうです。

 

現在、肝炎で治療中の方、あるいは以前に肝炎の治療を受けた方は歯科受診時に教えて下さい。

安全で安心な歯科治療の計画を立てるためにも現在の状況、体調などを参考にします。

そのため、肝炎の状態によっては歯科治療の計画が変わることがあります

そして、状況によっては、かかりつけ医とも連携することになります。

 

患者さんから医療従事者へ、医療従事者から患者さんへ感染症が伝播することを防ぐためにも

スタンダートプリコーション(標準予防策)を遵守することはとても重要です。

当医院では、開院時から常に最新の情報を取り入れ、スタンダートプリコーションを遵守しています。

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