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歯科の局所麻酔と偶発症(全身的)

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こんにちは、大阪市福島区のやました歯科医院です。

 

歯科治療の時に局所麻酔の注射を受けられた経験はほとんどの方にあると思います。

今回は、局所麻酔のお話をしますね。

 

局所麻酔の注射は苦手という方がほとんどです。

やはり「痛い」というイメージが大きく、それに伴い「怖い」ということが深く意識に

刻まれているからと思います。

また、過去には局所麻酔に関わる事故などがあり、より一層マイナスのイメージがあります。

 

予期せぬこと、よからぬことを防止(偶発症を防止)するためにさまざまな対策があります。

 

それが、過去ブログの「痛くない治療」「痛くない局所麻酔注射」「怖くない環境づくり」が

偶発症の防止にとても重要になってきます。

 

今回は主に偶発症(全身的な偶発症)について説明してゆきます

 

局所麻酔薬あるいはその添加物による全身反応として現れるものと、

注射手技に由来して局所症状を呈するものがあります。

 

1.全身的偶発症

1)局所麻酔中毒

局所麻酔薬の血中への吸収によって血中濃度が急激に上昇したときに現れる全身異常です。

中枢神経系、循環器系に症状が現れます。

 

麻酔薬の血中濃度上昇の原因は、過量または高濃度の局所麻酔薬の投与、血管内注入、

血管の豊富な部位への投与、腎機能および肝機能低下による代謝・排泄の遅延が考えられます。

通常、歯科治療で使用される局所麻酔薬のリドカインは、1回の最大許容量が500mgとされています。

体重当たりであれば7mg/kgです。

 

当医院して使用している局所麻酔薬(オーラ注™歯科用カートリッジ1.8ml)には、

カートリッジ1本(1.8ml)あたりリドカインが36mg入っています。

通常の歯科治療であれば、1.0から1.8mlの使用量が多く、

親知らずの抜歯などではカートリッジ2本使用することがありますが、

血管内に誤って注入しない限りは通常の使用量では問題ないことになります。

 

 

2)局所麻酔アレルギー

当医院の問診表に、局所麻酔薬に関する項目があります。

気分不良あるいはアレルギーに関する事です。

 

局所麻酔薬アレルギーは軽症のものまで含めても局所麻酔薬の副作用中の約1%前後で、

一般的によく使用されているリドカインによるアレルギー反応は0.00007%といわれ、

重症のアレルギーの発生頻度は極めて低いと考えられています。

(東歯大 歯科学報 Vol.113,No.4(2013)より)

 

局所麻酔のアレルギーがあると訴える患者さんは少なくありません。

患者さんの中には局所麻酔時の血管迷走神経反射などで気分が悪くなった症状を

アレルギーだと思い込んでいることもあります。そのため、

アレルギーとその他の全身的偶発症との鑑別が必要であるため、詳細な情報収集を行います。

 

アレルギーは予想がつかないことも特徴です。

いつも使用して問題がなかった薬剤でも、急激なアレルギー反応を生じる可能性があります。

その際には、速やかな救命処置が処置と専門医による診査、診断、治療が必要となります。

 

また、局所麻酔薬の添加物(安定剤、酸化防止剤など)によるアレルギー反応の報告が多いことから、

添加物がない局所麻酔薬の使用もアレルギー反応の防止には有効と考えられています。

 

 

3)血管収縮薬による反応

多くの局所麻酔薬には血管収縮薬(エピネフリン)が添加されています。

エピネフリンによる全身反応として、不安緊張頭痛、発汗、振戦眩暈顔面蒼白

動悸呼吸困難血圧上昇頻脈不整脈などの交換神経刺激症状が注射後数分以内に現れます。

 

エピネフリン(医学ではエピネフリン、生物学、薬品の一般名ではアドレナリン)は

商品名ボスミン™などで知られていて、交換神経を刺激して強い血管収縮作用、気管支拡張作用があります。

局所麻酔薬に添加することで、注射した部分の血管が収縮し、局所麻酔薬の吸収を遅らせることで

麻酔薬の効果を高め、持続させる目的があります。

 

上記の症状が出現した場合、楽な体位とし、生体モニターによる循環器、呼吸器系の監視を行いますが、

多くは様子観察で収まります。

 

4)血管迷走神経反射

以前には神経原性ショック、デンタルショックなどと呼ばれていました。

歯科治療に対する不安・恐怖・極度の緊張などの精神的ストレスが背景にあり、

痛み刺激などが与えられ、迷走神経緊張状態となり発症する全身的偶発症を血管迷走神経反射という。

(日本歯科麻酔学会 「歯科治療中の血管迷走神経反射に対する 処置ガイドライン」参照)

 

局所麻酔時など痛みを伴う処置の場合、血管迷走神経反射が起こりうることが想定されます。

 

発生した場合、楽な体位と安静を図り、酸素投与と生体モニターによる監視を行います。

 

 

 

以上が全身的な偶発症でした。

局所麻酔の注射と言えど、侵襲、痛みを伴います。

過去ブログで痛みに配慮をするなどは予期せぬこと、よからぬことなどの偶発症を

予防することはとても重要です。

さまざまなことを配慮して診療を進めるように注意を払っています。

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