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やました歯科医院では初めてご来院いただく患者様に限り、インターネットからいつでもご予約いただけます。必ず以下の注意事項をお読みの上ご利用ください。
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大阪市福島区 やました歯科医院 顧問助産師 山下です。
おしゃぶりはダメなのか?後編です。
歯科に関連して おしゃぶりはダメなのか?
ご家族が「おしゃぶりは使わない方がいい・ダメだ」と考える理由の中に圧倒的に多いのが、
「将来、出っ歯になるから。」というものです。
さて、出っ歯になるのか?
小児歯科学会と小児科学会が
「子どもの歯と保健ガイド」で「おしゃぶりについての考え方」を保健指導の指標としてまとめたものがあります。
(2006)06_02.pdf(tokyo.lg.jp)
こちらを確認すると、「出っ歯に」なるリスクは高くなるそうです。(指しゃぶり>おしゃぶり)
特に、日本人は欧米の方と比べても出っ歯になりやすいことが知られています。
これは、人種による顎の骨格の違いからと言えるようです。
その影響からか、欧米ではなかり大きくなるまでずーっとおしゃぶりしてる子どもが多いですが、
あまり出っ歯にはならないようですね。
(かつ、歯並びを大切にする文化なので、歯列矯正を多くの子どもが行っていることも関係ありそうですね。)
ご存じの通り、お子さんの性格や、おしゃぶりの使い方によっては「クセ」になり、止めるのが大変という特徴があるので、
「辞めるのが大変だから最初からつかうべきではない」という考えをお持ちの方も多いようです。
さて、上記のガイドを見ますと、
出っ歯にならないために、おしゃぶりを卒業するべき年齢について
「おしゃぶりは、2歳半までに使用を中止するようにする。」
(指しゃぶりは3歳まではあせらなくてよい)という指標があげられています。
この年齢を超えると、出っ歯になるリスクが上がるという研究があるそうです。
(歯ぎしりなどのお話はコチラ⇒お子さんの歯ぎしり 気になりますよね?どうしましょうか・・・)
ここで注意していただきたいのが、
思っているより、「アカン!」の1点張りではなく、わりと大きくなるまでOKなんだということです。
2~3歳の子どもを想像してみてください。
歩いて走って遊んでいます。おしゃべりできる子もいます。保育園や幼稚園が始まる子もいます。
知恵もついてきて、話の内容も理解できるようになってきます。だいぶ大きいですよね。
おしゃぶりを止める目標年齢はだいぶ先の話なんです。
当然、卒業をせかしすぎるのも、まだまだ情緒的にも難しいこともあるでしょう。
(親にとっても子どもにとってもストレスになりえますよね。)
上記のガイドラインによると、情緒、もろもろの発達を考えても、
2~3歳になると自然に卒業できるというデータがあるようです。
さて、おしゃぶりは「出っ歯」になるリスクが高まると書きましたが、
実はほとんどのケースで「一時的なもの。止めたら治る。」可能性が高いそうです。
思っているよりも、歯は良く動くものだそうで、
特に子どもは、顎が成長していく中で、歯は正常な位置になっていくそうです。
(顎が狭い骨格の場合は、うまく動くことができずに、歯並びの不具合や出っ歯にもなるそうです。
そういう場合はいずれにせよ、歯列のケアも必要になるかもしれませんね。)
歯並びはお口を閉じる(唇を閉じる)力と舌の動き(舌の力)のバランスで成り立っています。
このバランスが正しければ、骨格以外の要因で出っ歯になることは少ないです。
そうやって聞くと、歯に関してそこまで気にしなくてもいいのかな?
という気にもなりますよね。もちろん、歯科医院で定期的に診療を受けることも安心ですよね。
おしゃぶりは 使っていい!おしゃぶりは、親が手抜きをするためなのではないです。
使っている赤ちゃんがかわいそう、なものでもありません。
現代の子育てにおいて、親が心豊かに、気持ちにゆとりをもって育児をしていくためにとても便利なものです。
必ず使うべきグッズではないけれど、上手に使っていくことは大賛成です。
ただし、使い方には ちょっと工夫が必要です。
ここぞ、というタイミングで使っていくことと、
なんやかんやとずっと吸わせておくというのは、1歳過ぎてからは発語などの発達の面を考えても、
止めておくとよいでしょう。(使い方のコツに関して、いずれ述べようと思います。)
さて、おしゃぶりの良い点についてもいくつか言及されています。
SIDS(乳幼児無呼吸症候群)のリスクを下げる
口の周りの筋肉を鍛えることで、おくちポカーンを予防する。
(②についてはそこまでエビデンスはないそうですが)
赤ちゃんにとって、良い点もあるのですね。
さらに諸外国の例を見てみましょう。
欧米では、4歳くらいまでおしゃぶりを使用することを勧めているところもあるそうです。(鼻呼吸を促すため?)
フランスやアメリカの赤ちゃんは 一人で朝までよく眠るのは「おしゃぶりを使っているから」も重要な要素です。
赤ちゃんを泣かせることが虐待ともとられる国では、おしゃぶりを使用することが普通のこととされています。
フランスでは保育園でお昼寝をする場合、おしゃぶりを持っていくのは普通だそうです。
(日本の保育園では持ち込み禁止のところも多いですよね)
指しゃぶりを良くないこととして、その代わりにおしゃぶりを使用することを勧めているところもあるそうです。
(衛生的問題、指のダメージ問題・口腔内に及ぼす影響がおしゃぶりより大きいなど)
こうやってみると、おしゃぶりを良しとするか悪とするかについては、
科学的な根拠というよりも文化的な背景も大きく影響しているようですね。
私の結論は最初にも書きましたが、「昔は散々言われてたけど、今はそうでもない!
出っ歯?そんなん問題になるのは だいぶ先の話。
ひょっとしたら今の育児の大変さの半分くらいが解決できるかもしれないよ!
タイミングみて上手に使うのは賛成!けど四六時中ずっ~とはやめとき。」です。
おしゃぶりを使うべきだとは思わないけど、使ってもいい。
それくらいのおおらかさがあっていいと思います。
個人的な意見ではありますが・・・
続きまして、以前一緒に働いていた小児科医の心強い言葉をどうぞ!
「出っ歯?そんなもん大した問題ちゃう。子どもにとって、情緒の安定の方が絶対大切やろ。好きなだけ吸わせったって。」
最後にやました歯科医院の院長の言葉をどうぞ!
「出っ歯?おしゃぶりや指しゃぶりが原因なだけだったら、悪い癖が無くなれば歯は自然と本来の位置に動きます。
(顎が小さめとか今後成長する乳幼児の時期に、将来のことは予測はできても誰も評価できません)
乳幼児期にできることは悪い癖(お口ぽかん、指しゃぶり、爪かみ、唇を吸い込む、舌をベーと突き出すなど)の
観察です。辞めさせるには本人の理解度高くなる3歳後半以降でなければそもそも難しいです。
なので、おしゃぶりのことでそんなに悲しんだり落ち込んだりしないでください。」
やました歯科医院では、歯科医師の口腔内のケアと助産師の育児支援、両方からご家族を支えます!
気になる方はいつでも相談にいらしてくださいね!
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(当歯科医院の特徴やコンセプトはコチラをご覧ください⇒https://yamashita-dnt.com/ )