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やました歯科医院では初めてご来院いただく患者様に限り、インターネットからいつでもご予約いただけます。必ず以下の注意事項をお読みの上ご利用ください。
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大阪市福島区 やました歯科医院です
今回は「むし歯」をテーマにお届けしますね。
「歯が弱くてすぐにむし歯になります」
「歯の質が弱いのでボロボロです」
「むし歯治療をしてもすぐにむし歯になります」
これらはむし歯が多い方がよくおっしゃられます。
「歯が弱い」「歯の質」って本当にあるのでしょうか?
それには、まずむし歯の成り立ちから考えてゆく必要があります。
・歯と骨は似ています
歯はその成分としては骨と似通っていて、リン酸カルシウムというもので
できています。「Ca:カルシウム」と「PO4:リン酸」です。
骨は日々代謝を繰り返していて、カルシウムとリン酸が出たり入ったりしています。
実は歯も同じようにカルシウムとリン酸が出入りしています。
・カルシウムとリン酸が歯から出てゆく
お口の中にはたくさんの細菌がいて、口腔内細菌叢(フローラ)とも呼ばれています。
その中には、むし歯、歯周病を引き起こす細菌が存在します。
むし歯を引き起こす原因細菌は私たちが摂取する飲食物の糖をエサにして
酸を産生します。この酸によって、歯からカルシウム、リン酸が出て行ってしまいます。
溶けているという表現も当てはまりますよね。
(過去ブログもご覧ください:スポーツ飲料とう蝕 )
・いつカルシウムとリン酸は歯に戻ってくるの?
これには唾液が大きく関係します。
唾液の性質によって酸が中和され、さらに洗い流されます。
そうすると再びカルシウムとリン酸は歯に戻ってきます。
このようにしてカルシウムとリン酸は出たり入ったりします。
・むし歯ってどうゆうこと?
歯の成分であるカルシムとリン酸は出たり入ったりしていますが、
たくさん出て行って、入ってくるものが少なくなる状態、すなわち、
収支のバランスが崩れると歯が欠ける(溶ける)ようになります。
歯の成分が出てゆくこと=脱灰
歯の成分が戻ってくること=再石灰化 と言います
むし歯の定義は脱灰と再石灰化のバランスが崩れて、
脱灰が進行している状態のことを指します。
・むし歯の治療ってどうするの?
一般的にむし歯治療は、むし歯部分を削って詰め物をすることになります。
ここまで読んでくださった方はお分かりいただけたと思いますが、
むし歯を根本的に治療するならば、
脱灰と再石灰化の崩れたバランスを元にもどすこと
ということになります。
削って詰めては「修復治療」ということを指します。
「頻繁にむし歯になりやすい」「何度もむし歯になる」という方は
むし歯の原因の本質的な部分を考えることが大切になります。
ここまではむし歯の原因、本質についてお話をしてきました。
むし歯にかかわる要因を以下にまとめますね。
・むし歯に関係することって?
(A)むし歯原因細菌 + (B)糖
→エネルギー(むし歯菌のためのもの) + (C)酸
そして(D)フッ素
(A)むし歯の原因細菌の種類と量
特に悪さをするものはミュータンス菌です
ミュータンス菌が多い、活動性が高い状態ではどんなに歯磨きを頑張っても
菌数は減りません。もちろん減少する菌もいますが、ミュータンス菌は
簡単には減少しません。
(B)糖
飲食物に含まれています。
糖質を多く含むものであればあるほど酸が酸性されます。
そのため、食事の回数が関与します。
さらに摂取している時間が長いほど歯が酸にさらされるため、
溶ける危険性が高くなります。
食事と同じだけ歯磨きをしているか、歯磨きの回数も関係してきます。
(C)酸
酸によって歯は溶けてしまいます。
そのため、酸を洗い流す唾液の役割が大きくなります。
唾液量が多いヒトほど洗い流しやすい環境になります。
また、唾液には酸を中和する「緩衝能:かんしょうのう」という作用があります。
ヒトによって緩衝能に違いがあるため、唾液の質もむし歯に関与します。
(D)フッ素
再石灰化する際にフッ素を取り込むことで歯の質(歯質)は丈夫になります。
そうすることで、酸に対して強くなります。
いかがでしたか?
今回はむし歯の原因について考えてきました。
むし歯が多い、すぐにむし歯ができるという方はこれらのどこかで不具合があるはずです。
お気軽にご相談くださいませ。
大阪市福島区 助産師のいる歯科医院
(当歯科医院の特徴やコンセプトはコチラをご覧ください⇒https://yamashita-dnt.com/ )