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やました歯科医院では初めてご来院いただく患者様に限り、インターネットからいつでもご予約いただけます。必ず以下の注意事項をお読みの上ご利用ください。
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こんにちは。大阪市福島区のやました歯科医院です。
「フッ素はむし歯予防にいいの?」 「フッ素はどうやって使うの?」
小さなお子さんをもつ保護者の方からフッ素に関する質問は多くあります。
今回はフッ素と乳歯の関係をお話してゆきますね。
「フッ素はむし歯予防に効果があり、また歯を丈夫にします」
一言でいえばこのような説明となります。
フッ素とは何でしょうか。
歯科領域でおなじみの「フッ素」は、本来の名称を「フッ化物」といいます。
フッ素を元素名として使用する場合は「フッ素(Fluorine)」、
無機のフッ素化合物に対しては「フッ化物(Fluoride)」と国際的に命名されているからです。
ですので、正式には「フッ化物の塗布」「フッ化物の応用」と呼んでいます。
フッ素は生体必須微量元素です。
人間の体内には、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄に次いで、含有量が多く、
成人の場合は、約2.6gが体内に存在しています。
また、自然界に広く分布しているので、日常の飲食(飲料水、お茶、海産物など)から摂取しています。
フッ化物のう蝕予防のメカニズム
1)歯に作用
・歯のエナメル質を構成するヒドロキシアパタイト(HA)の結晶性を改善させる。
→歯のエナメル質は99%がリン酸カルシウムの結晶からなり、
ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)と非常に良く似た構成をしています。
※HAは結晶性が低く、酸に対して溶けやすい壊れやすい性質があり(脱灰)ます。
・フルオロアパタイト(FA)の生成
→ フッ素が歯に取り込まれると、HAの水酸基と置換してフルオロアパタイト(FA)になります。
FAは酸に対して安定した結晶です。歯が強くなることになります。
・再石灰化促進の作用により歯質を強化し、耐酸性を向上させる。
→再石灰化するときにフッ化物が存在すると石灰化を促してエナメル質を修復しやすくなります。
2)歯垢(プラーク)に作用
・歯垢中の細菌の解糖系に対する抗酵素作用によって、酸産生を抑制します。
これらのことから、「フッ化物はう蝕予防に効果があり、歯を丈夫にします」。
フッ化物の応用方法
1)フッ化物の歯面塗布
生えて間もない歯のエナメル質表面に直接フッ化物を作用させ、う蝕抵抗性を与える方法です。
年数回の実施でう蝕予防効果があるため、お子さんにとっては負担の軽いフッ化物応用方法です。
歯科医師や歯科衛生士のような専門職が行うう蝕予防手段として位置づけられているので、
歯科医院、保健所や市町村保健センターなどで応用されていることが多いです。
2)フッ化物洗口
毎日または週1回の頻度で、生えて間もない歯の表面にフッ化物イオンを作用させます。
代表的な自己応用法(セルフケア)で、家庭で個人的に行うこともできますし、
学校などの施設単位で集団的に実施することもできます。
しかし、この方法の適応は4歳以上(洗口が可能)なので、乳歯に対するう蝕予防方法としては不十分で、
主に生えて間もない永久歯のう蝕予防手段と考えるべきとされています。
また、十分なう蝕予防効果を得るには、永久歯萌出期の数年以上にわたって継続的に実施することが重要で、
家庭で個人的に実施するよりも、幼稚園や学校など集団の場で実施することで、より好ましい結果が得られています。
3)フッ化物配合歯磨剤
ご家庭や職場でのセルフケアによるう蝕予防手段として、欧米の先進諸国では1970~1980年代にかけて
急速に普及し、小児う蝕の急激な減少をもたらしたことで高く評価されています。
日本においても歯磨剤(いわゆる歯磨き粉、歯磨きペースト)自体に対する考え方が
「歯みがきの補助剤」から「積極的な予防剤」へと変化していったと言われています。
欧米各国でのフッ化物配合歯磨剤市場占有率(シェア)は90%以上で、
乳歯だけではなく、永久歯う蝕の減少へとつながる可能性があります。
いかがでしたか?
フッ化物はう蝕予防と歯を丈夫にする効果があります。
歯科医院、自宅でも応用が可能ですので、すぐに取り入れることができます。
もちろん、フッ化物のみではう蝕予防が完璧ではありませんので注意は必要です。
今後のブログではフッ化物の応用方法、使用方法について説明してゆきますね。