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大阪市福島区福島駅の歯医者【やました歯科医院】

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歯周病って実は怖い? その1

歯を失う最大の原因は歯周病で、特に50歳代以降で急激に歯周病による歯の喪失が増加します。

(日本歯周病学会編、歯周治療の指針2015より)

 

歯周病は突然にかかるわけではありません。

また、50歳代で急に発症するものでもなく、

歯周病そのものは30歳代の頃から始まっていると言われています。

 

初期の段階(歯肉に限局した炎症:歯肉炎)であれば適切な治療で健康な状態に戻ることはできます。

歯周炎(歯肉が歯の表面からはがれる状態)に進むと、元の状態に戻すことは困難になり、

それ以上歯周病が進行しないようにすることが治療の目的となります。

つまり、歯がグラグラすると自覚した時点ではすでに歯周病は重症化しており、

状態によっては歯を抜く(抜歯)こともあります。

 

そのため、自覚症状がなくとも歯科医院での定期的なチェックと清掃はとても重要になります。

 

 

歯周病の基礎知識

 

・う蝕と歯周病の共通点、相違点

両方とも口腔内の細菌が関与します。

たくさんの常在細菌が口腔内に存在しますが、う蝕の原因細菌と歯周病の原因細菌は異なります

う蝕は歯の表面に付着した歯垢(細菌の塊)が原因となります。

一方、歯周病原因細菌は酸素のある環境下では生育できません。

そのため、歯周病は歯ブラシの届かない歯と歯肉の溝(歯肉溝)に付着・増殖した

歯垢(細菌の塊)が原因で歯肉、歯根膜、歯槽骨などの歯周組織を破壊してゆきます。

 

・歯周病の進行「歯肉炎」と「歯周炎」

歯と歯肉の間(歯周ポケット)に歯垢が付着し、歯肉が炎症を起こして腫れた状態を「歯肉炎」といいます。

歯肉炎がさらに進行し、歯肉上皮や歯根膜が剥がれた状態を「歯周炎」といいます。

歯周病は歯肉に隠れてみえない部分で進行し、痛みもなく進行するために気が付きにくいことが特徴です。

 

歯肉炎

 歯肉のみに炎症

 

歯周炎

 歯肉上皮・歯根膜が剥がれる、歯槽骨が溶ける

 

過剰な炎症反応、歯根膜の喪失、歯槽骨の融解などで歯を支えきれなくなり、

最終的には歯が抜け落ちることになります。

   グラグラが大きくなり、抜け落ちてしまいます。

 

 

・歯周病進行のメカニズム

1)口腔内の細菌叢のバランス

口腔内には様々な細菌がいて、そのバランスは保たれています(常在細菌叢)。

歯周病は歯と歯肉の溝(歯周ポケット)の中で歯垢が形成され、酸素の少ない環境で

病原性の高い歯周病原因細菌が増殖し続けた結果、起こると考えられています。

つまり、歯周病を発症した歯周ポケット内では、その細菌叢のバランスが崩れた結果と考えられています。

 

2)免疫細胞の働きが発揮できない

歯肉の健康は免疫システムでも守られています。

しかし、歯周病原因細菌は免疫細胞の攻撃が届きにくい歯周ポケットで歯垢を形成し、増殖しています。

この歯垢は粘着性があり、うがいでは除去できません。

そして歯垢は放置すると石灰化して、数日で歯石となります。

歯石は細菌が定着しやすい構造であるので、さらに細菌が増殖することになります。

 

3)歯周組織の破壊

歯周病原因細菌は歯周ポケットの中で毒素や酵素を出します。

免疫細胞は直接作用できない歯周ポケットの中に対して炎症反応を活発化します。

それでも排除できなければ長期間炎症反応が持続することになり、

過剰な炎症反応が継続した結果、歯周組織は破壊されます。

 

 

いかがでしたか?

以上が歯周病のメカニズムでした。

日常の清掃はとても大切です。歯みがきでしっかり歯垢を落とし、

フロス(糸ようじ)や歯間ブラシも併用してお口のケアをしっかりおこないましょう。

歯肉炎の状態であれば原因である歯垢、歯石を除去するなどで歯肉を健康な状態に戻すことは可能です。

しかしながら、歯周炎になると元通りには戻りません。

歯周病の進行を食い止めるためにも、歯科医院で定期的に歯石を除去することはとても重要です。

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