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やました歯科医院では初めてご来院いただく患者様に限り、インターネットからいつでもご予約いただけます。必ず以下の注意事項をお読みの上ご利用ください。
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大阪市福島区 やました歯科医院
助産師相談室の山下真由美です。
新型コロナウイルス感染症は第6波のピークは越えたものの、
いつ感染してもおかしくない状況です。
今回は、「母乳でコロナに感染するのか?」「母親がコロナに感染したら、
赤ちゃんのお世話はどうすればいいのか?」というところを考えていきたいと思います。
こんな相談事例がありました。
母親がコロナ陽性になり、父親と子供(6か月児)は濃厚接触者である。
父親は自宅内で自室にこもり、家族と部屋を別にして隔離感染対策を行っている。
しかし濃厚接触者である子供は、コロナ陽性の母親と一緒に生活をしている。
母親は母乳からコロナが感染すると考えて、完全ミルクにした。
もちろん、ミルクを与えたり作るのは母親。
母親は、乳房のしこりと痛みがあり、乳腺炎の可能性も考えられた。
コロナ感染症の主な感染経路は、飛沫感染・接触感染、
換気の状況によっては空気感染も言われていますね。
では、母乳に関しては、どのようになっているのでしょうか?
信頼できる機関から情報を検索しました。
<国立成育医療研究センター>
母乳中に新型コロナウイルスが含まれるという報告はなく、
WHO(世界保健機関)やCDC(アメリカ疾病予防管理センター)では
母乳をあげてよいとなっていますが、正確なことはまだよくわかっていません。
<日本小児科学会>
母乳中からウイルス遺伝子が検出されたという報告はありますが、
感染性のあるウイルスが母乳に分泌されるかどうかも不明であり、
母乳の利点を考えれば母乳をやめておいた方がよいということはありません。
<日本ラクテーション・コンサルタント>
母乳を介して新型コロナウイルスが乳児に感染するリスクは低いと考えられています。
以上のことから、今のところまあ、母乳でコロナに感染させることはなさそうやで。
(ニュアンス・・・)という判断でよいでしょう。
しかし、ここで考えないといけないのが、飛沫感染と接触感染をどう防ぐか?という問題です。
大人や自分のことを自分でできる年齢の人は「完全に空間を分ける宿泊療養」
「別の部屋で過ごして他の家族と会わないように自宅療養」などで隔離をします。
お母さまがこのように完全に隔離できる環境にあれば
他のコロナではない養育者がお子さんのお世話し、赤ちゃんの場合は
搾乳やミルクなどで栄養をもらうことで、感染対策をすることができますよね。
(搾乳の取り扱いにも注意が必要です)
上記の事例では、赤ちゃんのお世話もミルク作るのも与えるのも
陽性者でない養育者【父親】がするのであれば、妥当ですよね。
しかしながら、実際の声は・・・
母親が熱などでしんどい時、1日2日は、他の家族(父親)がなんとかがんばったが、
無理だった。(何が無理なのかは想像にお任せ・・・)
そもそも、養育者全員がコロナ陽性だった。濃厚接触者の赤ちゃんをみてもらえる人がいなかった。
入院などにならない限り、
母と赤ちゃんの隔離による感染対策はとっても難しいです。
では、どうするのか??
できるだけ、陽性者のお母さまがマスクしてマメに消毒して、今までどおり授乳して、
お母さまがしんどいときは、他の人にお世話をしてもらう。
(授乳をお休みする場合は、母乳トラブルと分泌減少を防ぐためにときどき搾乳をすることもお忘れなく。)
今流行ってるオミクロン株や変異株は感染力強く、発症の2日前から感染能力があることを考えたら、
もう赤ちゃんは感染してるやろ~
どうしょうもないで~
赤ちゃんの重症化例はほとんどないらしいし、マスクと消毒はしっかりめにしとき~
というところが実際のようです。
陽性者の隔離期間は7~10日間です。
その間、授乳をしないことで事例にもあったように乳腺炎のリスクも高まります。
その上、乳汁の分泌が減る、止まることもあります。
オミクロン株が比較的軽症であることも鑑みても、母乳のトラブルを起こすことや、
赤ちゃんが母乳をもらえなくなることの方が、母子にとって重大な問題です。
コロナと共に生活をしなくてはいけない今、分からないことも分かってきたこともあります。
ぜひ、選択肢を広げて、豊かな育児をお手伝いしていけたらなと思っています。
大阪市福島区 助産師のいる歯科医院
(当歯科医院の特徴やコンセプトはコチラをご覧ください⇒https://yamashita-dnt.com/ )
コロナワクチンと歯科治療⇒コロナワクチン接種と歯科治療(歯科領域における口腔外科処置)について