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母乳育児をエンジョイするための事前講座~母乳育児のリアル③

こんにちは。やました歯科医院 助産師相談室 担当の助産師 山下です。

 

今回は、母乳育児を希望されるお母さま必見

「母乳育児をエンジョイするための事前講座

~妊娠中から知っておくべき 母乳育児のリアル~」の3回目です。

 

 

「赤ちゃんは お腹がいっぱいになったら、あとは寝て過ごす」

 

この案件について、よくある思い違いとよくある例外を解説していきましょう。

 

赤ちゃんが、満たされてスヤスヤと寝ていると本当に天使のようで、見ているだけで癒されますよね。

そんな赤ちゃんの隣で、幸せな気持ちで寝顔を眺め、我が子にうっとりしながら、

ハーブティでも頂く・・・という構図、なんて幸せなんでしょう~

 

しかしながら・・・

 

赤ちゃんは、思っているほど、寝ません。

そして、思いのほか、よく泣きます。

 

お腹いっぱいになったら寝るはず・・・と思っているので、

「お腹いっぱいになれないんだ」

「母乳が出てないから怒っているんだ」

「母乳で赤ちゃんのお腹を満たすことができない、ダメな母親なんだ」

 

そして、産後特有の一時的なメンタルの弱さも相まって、

「一緒になって泣いてしまう」

「うつうつと思い詰めてしまう」

「母乳育児を諦めてしまう」というのは、ありがちなパターンです。

 

私は、産後3か月以内程度の母子を2000例ほどみてきましたが、

お腹がすいたら泣いてお知らせして、お腹がいっぱいになって満たされたら寝る・・・

産まれたばかりの赤ちゃんは、一日の大半を寝て過ごす・・・

というのは、実は少数派で、そうでもない赤ちゃんの方が多いのではないかなと思います。

 

では、赤ちゃんはなぜ泣くのか?理由は? 

お腹がすいた?

オムツ?

暑い?寒い?

抱っこ?

など色々試行錯誤やってみて、それでも泣く、ということであれば、おそらく

「眠たいけど、うまく眠れない!」

「よくわかんないけど、なんか嫌!」

このあたりの訴えが多いのではないかと思っています。

 

では、こんな訳の分からない訴えの時はどうしてあげたらいいのか

そうです「おっぱいを吸ってもらう」これが効果的です。

 

おっぱいを吸うことが、心の安寧を招き、安らかな入眠を誘うのです。

 

大事なことは、このときに母乳が出ていなくてもいいとうこと。

赤ちゃんは、おっぱいを吸うという行動自体が意味のある大事なことで、

心の成長にも欠かせない大切なことなのです。

 

小さい子がおしゃぶりをしているのもそれと同じことです。

 

決して、「出ていないおっぱいを吸わせるのはかわいそう」なことではないのです。

 

さらに、以前のブログでお伝えした

「母乳がでるようになるためには、おっぱいをたくさん吸ってもらうこと」が必須なので

「母乳が出ていなくても吸ってもらう」ということがお母さんにも意味のあることで、

とても自然の道理にかなったことなのです。

 

言ってみれば、お腹いっぱいになったら寝てしまう赤ちゃんよりも

多少お腹いっぱいでも、母乳が良く出るように、一生懸命たくさん吸ってくれる赤ちゃんの方が、

真面目に頑張っているということも言えるかもしれませんね。

 

もちろん、赤ちゃんの体重や母乳の分泌の様子をみながらミルクを併用するのは

いい選択ですので、この辺のあんばいは、助産師に相談するとさらに安心かもしれません。

 

中には、「うちの子、あまり寝ないんです。睡眠不足が心配で・・・」という相談もよくありますが、

これは、全く心配ありません。

 

赤ちゃんに、睡眠不足はありません。睡眠は、長さよりも質が重要です。

 

赤ちゃんは、短時間でも成長に必要な睡眠をとることができるのです。

(睡眠不足で心配なのは、どちらかというとお母さまの方ですね。)

 

赤ちゃんは、思っているよりも寝ない、そしてよく泣くもので、

それはおっぱいが出ていないことを怒っているわけではないということを知っているだけでも、

お母さまの気持ちはだいぶちがうのではないかと思います。

 

それでもやはり、一人で頑張るのは心配な時もあります。

そんなときは、助産師がお力になれると思います。

 

そのような時は、どうぞお気軽にご相談くださいませ。

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