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赤ちゃんと発達障害 ~新生児の赤ちゃんとお母さんのところへ訪問して~

こんにちは。やました歯科医院 助産師相談室 顧問助産師 山下真由美です。

 

新生児のお母様とお会いすると、発達に関連したことを尋ねられることがあります。

例えば、

「うちの子、普通と違うんです。発達に問題があるのではないかと心配に思っています。」

赤ちゃんの発達障害を心配しているお母様が増えたのかなあと感じています。

ひと昔前と比べて、発達障害という概念が一般に浸透し、理解も進む中、

どういうことがお母様やご家族に起こっているのか、考えてみたいと思います。

 

まず、発達障害ですが、単独の診断名、病名ではありません。

注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)

この3つの代表的な障害の総称となります。

詳しくは他の成書を参考にしていただければ幸いです。

 

今回は、0歳児、特に月齢がまだまだ浅い赤ちゃんについて考えてみます。

まず、お母様はどうして発達障害ではと疑うのでしょうか?

・よく泣く、ギャン泣きし続ける

・あやしても泣き止まない

・あまり泣かない

・よく寝る

・寝ない

・寝てもすぐに起きる

・母乳がうまく飲めない

・音に敏感で、ビクッとけいれんのようなしぐさをする

・うなることが多い

これら赤ちゃんの様子が発達障害の特徴ではないか・・・と心配されるケースがあります。

 

確かに、さまざまな研究や症例から、発達障害と診断を受けたお子さんの

赤ちゃんの頃の様子や、兆候などが報告されています。

また、早期介入が必要という研究報告もあります。

そして、いまはネットで検索すると様々な情報を得られることができるようになってきました。

 

しかし、カンチガイしてはいけないのは上記にあげた赤ちゃんの様子は、

どれも赤ちゃんあるあるのということです。

・敏感で小さな音にも反応する

・周囲が騒がしくても寝ている

・睡眠時間が長い

・まったく寝ない

これらは個人差、個性であり、そんなもん普通っちゃあ普通 でもあるんですよね。

そういった様子がある赤ちゃんは発達障害であるのではなくて、

発達障害である方の赤ちゃんの時の様子がそうであった、ということです。

もちろん発達障害にも個人差があり、いろいろな型、タイプがあります。つまり、赤ちゃんの

当てはまる特徴がある=発達障害であるとは限らないのです。

 

東大生が子どもの頃の習い事で一番多いのは「公●式教室」であるが、

「公●式教室」に行くとみんなが東大に行けるというわけではない。という理屈です。

(最近これで説明すると、なるほど~と理解してもらえた。)

 

確かに「親のなんとなくそう感じる」は、とても重要な情報です。

しかしながら必要以上に、その思いに取りつかれてふりまわされることは、

母親の生活に大きな悪影響を及ぼしている実態があると考えています。

 

以下は相談事例です。(個人情報保護の観点から多少変えてあります)

・1か月児。「母乳がうまく飲めなくて、いろいろ検索しているうちに、これは発達障害の兆候に該当するのでは?と思った。」

というお母様は、睡眠時間を削って、スマホで検索して、不安が大きくなり、情緒的にも不安定になっている。

・1か月児。「夕方からずっとグズグズしている、寝ても置いたらすぐに起きる、ひょっとしたら発達障害なのかも・・・」

というお母様は、将来この子は苦労するだろうな・・・

私の仕事復帰は諦めないといけないかも・・・と想像すると涙があふれてくる、と話している。

身近な人に指摘をされるというケースもあります。

・1か月児。親戚のおばさんに「この子よく泣くなあ。普通は抱っこしたら泣き止むで。

普通の子と違うで~、なんか検査とかした方がいいんとちゃう?」と言われた。

失礼な人やな!絶対もう会わへん!と思いながらも、育てにくさを感じるところもあり、

時間があればスマホで検索をしている。寝不足もあり、気持ちの余裕がまったくない。

・1か月児。実母に「ちょっと寝すぎとちゃう?あんたのときはこんなんちゃうかったで。なんか障害とか心配やわあ・・・」と言われた。

ショックを受け、夫にも相談したが、考えすぎだと言っている。

その態度にも不満があり、イライラする気持ちや、子どものどんな様子も発達障害の特徴?と思ってしまい、不安が大きい。

・赤ちゃんの普通が分からない、普通の赤ちゃんってどんな感じ?

産後の疲労感も大きく、ただでさえメンタルが不安定な時期に、必要以上に不安が大きくなっている様子があります。

 

昨今、発達障害は早期介入することが功を奏する報告もありますが、

さすがに0歳とくに月齢が浅い時期では何とも言えません。分かりません。

どんなに早くても2、3歳でしょうか。よく言われるのは早い場合で3歳健診のときです。

 

そうかもしれないし、そうでないかもしれない。

それは、どのお子さんも同じことです。

 

いずれにしても赤ちゃんのこの時期に、ご家族がお子様のためにできることは同じです。

そんな中でも私が特に大事にしてほしいと考えることは、

「ありのままのお子さんのことを 好きだよと たくさん伝えることを大切にしてほしい」ということです。

 

発達障害があるかもしれないことを

「かわいそう」「不安だ」と思うことや

「こんな子になってほしい」とプレッシャーをかけすぎる姿は、赤ちゃんにも伝わり、

さらに自分をネガティブにとらえてしまうことの要因になりかねません。

今のこの時にしか見られない赤ちゃんがかわいい時期を楽しんではいかがでしょうか。

一つ重要なことは、目の前の赤ちゃんにたっぷり愛情を注いであげることと思います。

 

言葉と行動に「あなたのことが大好き」を伝えていくことが、家族に求められているとも言われています。

大好きという気持ちは、態度だけでは不明瞭ですし、親の背中も語りません。

赤ちゃんに対しても、ぜひ言葉にして、声に出して「大好き」を伝えてあげてください。

 

今のママ、パパは生まれたての赤ちゃんのお世話をしたことないどころか、

見かけることもないということも珍しくない時代での子育てです。

赤ちゃんの普通がわからなくて当然です。そもそも赤ちゃんの普通はかなりのふり幅があります。

(大人だって誰一人同じヒトっていませんよね。赤ちゃんだって気質、個性、成長の速度はひとりひとり違います)

色々不安になることもあるかと思いますが、一人で悩まずに相談をすることも大切なことです。

 

発達に関しても、はっきりしてくるまでの2,3歳までの年月、一人で不安を抱えることがしんどい場合は、

一緒に見守ってくれる保健師さんが地域にはいますし、かかりつけの小児科の先生もおられると思います。

発達に関する専門医を探すことも必要かもしれません。また、個性に合わせた育児を提案できる助産師もいます。

ひとりで抱え込むことなく、

子どもの個性を大切にしながら、(赤ちゃんのうちから個性はあります)豊かな子育てができるることは大切と考えています。

 

 

大阪市福島区 助産師のいる歯科医院 福島駅、新福島駅からすぐ

(当歯科医院の特徴やコンセプトはコチラをご覧ください⇒https://yamashita-dnt.com/ )

 

 

参考文献

・こころの科学 No113 March2014 3

・発達 No.110 Vol.28 2007

・そだちの科学 no.21 October 10/2013

・社会問題研究 第67巻

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