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大阪市福島区福島駅の歯医者【やました歯科医院】

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金属アレルギーと歯科治療

こんにちは、大阪市福島区のやました歯科医院です。

 

金属アレルギーと聞くと、ピアスやネックレス、リングなどの装飾品をつけたときに

皮膚の発赤、かゆみなどの症状を思い浮かべることが多いかもしれません。

 

金属アレルギーには金属を身に付けることで生じる「接触性皮膚炎」と

食べ物、歯科治療などを通じて金属が体内に入り込んで生じる「全身性金属皮膚炎」があります。

 

今回は歯科治療に関連した金属アレルギーについてお話を進めますね。

 

歯科治療で使用する金属と言えば、いわゆる「銀歯」をイメージされると思います。

金属アレルギーは銀歯や詰め物などの金属が原因となって引き起こされるアレルギー反応ですが、

金属そのものがアレルギーを引き起こすものではありません。

金属から溶け出した金属イオンが体内に入り込むことがきっかけとなります。

 

 

歯科治療で使用される金属(保険適用)を紹介します。

 

1)アマルガム

正式名称は「歯科用水銀アマルガム」

1970年代頃からう蝕治療で通常に使用されていました。

コンポジットレジン(樹脂製の詰め物)が登場後も使用されていましたが2016年に保険適用から除外。

アマガムはとても変質しやすい金属で、お口の中の(常に温かくて湿り気のある)環境では

劣化し腐食、溶け出してゆきます。歯科用は無機水銀ですが、有機化することで人体に有害となります。

腐蝕、溶出の結果、水銀の粒子や水銀の蒸気が体内に流出し蓄積するとされています。

水銀による地球環境汚染、人体への影響から使用廃止が世界的な流れがあるそうです。

 

 

2)歯科鋳造用12%金銀パラジウム合金

銀歯といえば大抵はこの金属が使用されています。

      

 

ただし、世界中で日本のみが歯科治療時に使用している金属(保険適用)です。

金属の含有率は、金12%、銀50%、パラジウム20%、銅16%、その他インジウムなどが数%。

パラジウムは、金の耐摩耗性、銀の耐蝕性、耐硫化性という欠点を補うために使用されていますが、

(パラジウムによって噛む力に耐え、摩耗が少なく、色味が改善され、製作時に加工しやすくなる)

この「パラジウム」がアレルギーを引き起こす原因とされています。

 

 

3)ニッケル・クロム合金

義歯の金具などに使用されています。

やはり、金属アレルギーのリスクはあります。

 

 

4)銀合金

歯の神経を取り除いた歯にかぶせをする際に土台(メタルコア)を作ります。この土台によく使用されます。

銀は装飾品でもおなじみですが、酸化して黒く変色します。

「銀合金」は銀70%、亜鉛12%、インジウム13%、その他5%(スズ、ルテニウム、アルミニウム等)。

それぞれの金属にアレルギーを引き起こすリスクがあります。

 

 

5)チタン

2020年6月からかぶせの歯に保険適用となりました。

チタンは体内でも安定しているため、人工関節、歯科用インプラントでも使用されています。

安定しているとはいえ、やはり金属である以上は金属アレルギーのリスクはゼロではないようです。

 

 

このように、歯科治療では金属を用いることが多く、難治性の皮膚炎や粘膜炎の原因の一つとして、

歯科用金属によるアレルギーも指摘されています。

近年、健康、安全志向の高まり、素材の進化などから金属を使用しない歯科治療が可能となってきました。

金属を使用しない(メタルフリー)の歯科治療は保険適用される範囲が増えましたが、

すべてをカバーできていません。

 

金属アレルギーの対策は、う蝕、歯周病などを予防して、歯に金属製の詰め物、かぶせものをしないことになります。

それでも治療が必要になった場合には、まずはメタルフリーでの治療を検討することになります。

   

 

当歯科医院では、保険適用内あるいは保険適用外でのメタルフリーの歯科治療に対応しております。

気になる方は、どうぞお気軽にご相談くださいませ。

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