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やました歯科医院では初めてご来院いただく患者様に限り、インターネットからいつでもご予約いただけます。必ず以下の注意事項をお読みの上ご利用ください。
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日本において、う蝕にかかっている人は減少しているとよく言われています。
例えば、子供のう蝕は昔と比べても減少しています。
そこで、厚生労働省が6年毎におこなっている、「歯科疾患実態調査」を参考にみてみましょう。
う蝕がある歯を持つ割合を年代別に過去と現在で比べてみます。
まずは3歳です。
1993年の調査では約60%の子供はう蝕の歯をもっていましたが、これは年々減少し、
2016年では約8%に減少しています。
次に6歳です。永久歯も含まれます。
1993年では約88%の子供はう蝕の歯をもっていました。そして、
2016年には約45%と減少しています。
確かに平成初期と比べると、約30年のあいだで年々減少する傾向にあります。
ただ、う蝕の歯そのものがゼロになってはいません。
同じ年の調査で比べると、例えば2016年の調査におて、3歳で約8%、4歳で約36%、
5歳で約39%、6歳で約45%の子供にう蝕を認める結果となっています。
年齢が上がるにつれてう蝕の歯をもつ割合が多くなっています。
行政の歯科健診は1歳半、3歳健診そして小学校入学前の6歳で受ける就学前健診があります。
一説には、3歳から6歳までの間で、健診という介入がないことから、
歯科受診をするきっかけがないことが原因の一つとも言われています。
そのためか、7歳では約35%といったんは減少します。
やはり現代でも、学校健診で多くの年齢の子供たちに最も多い疾病が「う蝕」です。
子供はう蝕になりやすい
その理由として
1)生えて間もない歯(乳歯、永久歯)は、表面のエナメル質が十分に硬くなっていない
→エナメル質の石灰化が完全に進むまで、生えてから2~4年かかります
2)砂糖を含んだ飲料やお菓子を一般的に好むようになる
→エナメル質が溶ける(脱灰)、う蝕原因細菌のエサとなる
3)保護者による歯磨きの開始時期が遅い場合、フッ化物の応用開始時期が遅い場合
→予防がう蝕の進行に間に合わない
子供のう蝕を減らすためには・・・
近年、う蝕が減少している理由として、生活習慣の改善、フッ化物配合歯磨剤の普及が言われています。
そこには、保護者の意識と行動が変化してきていることが大きいからとも言われています。
つまり、治療だけではなく、う蝕予防のために歯科医院へ通院するパターンが増えているからです。
小さい頃から歯科医院を受診することは、正しい歯磨きの方法を身に付けることにもつながります。
また、フッ化物の応用は、う蝕予防に非常に効果があります。
そして、もし、う蝕治療が必要となった場合、少しでも歯科に慣れていると治療が比較的スムーズに
受け入れられるといったメリットがあります。
子供のう蝕予防は、正しい歯磨きとフッ化物の応用を中心とし、さらに
食習慣(砂糖類を含んだ飲食物をダラダラと食べない)の改善が大きな柱となります。
歯科医院でできること
1)定期的にお口の中を確認します。
→う蝕の有無、磨き残しがないか、歯肉が腫れていないかなどをチェックします
磨き残しがあれば、正しい歯磨きが身につくように、一緒に歯磨きの練習をしてゆきます
2)フッ化物の応用
→フッ素は①歯の石灰化を促進、②う蝕原因菌の活動を抑制、③歯の質を強化 します。
→歯科医院では高濃度のフッ素(定期的に塗布)を使用してう蝕予防をします
3)シーラント
→歯ブラシの毛先が届かない歯の溝を、予防的に埋めることでう蝕発生の予防をします
ご自宅でできること
1)歯磨き
→奥歯や新しく生えた歯はとくに磨き残しが多くなります
お子さんに合った歯磨き方法(歯ブラシの大きさ、フロスの使用)、習慣を身に付けることは大切です
→お子さんの年齢によっては、ご家族による仕上げ磨きも重要です
2)規則正しい食生活
→う蝕の原因となる砂糖類、ジュース類の全てがダメということではありません
飲食のタイミング、量、食べ合わせに配慮をすれば問題はありません
3)フッ化物の応用
→低濃度のフッ素(フッ素配合歯磨剤、フッ化物ジェルなど)を毎日使用する
継続して使用するフッ素は、う蝕予防には重要です。
いかがでしたか?
昔よりもう蝕が減少しているとはいえ、予防はとても大切です。
乳歯が生え始める頃、食生活が変化してくる頃、歯磨きを自分でし始める頃、
お子さんの成長という変化とともに、う蝕のリスクが高くなっています。
う蝕予防に興味のある方、すぐにう蝕が出来てしまう方、これをきっかけに予防歯科を始めてみませんか?