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大阪市福島区福島駅の歯医者【やました歯科医院】

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歯型を取ったあとはどうしているの?感染対策の実際

大阪市福島区 やました歯科医院です

 

歯科医院ではさまざまな感染対策を実施しております。

今回は、歯型を取った後はどうなっているの?をテーマに紹介しますね。

 

歯型を取るってなに?

歯型を取る目的は、むし歯治療の詰め物、被せもの、入れ歯などを作製のためで、必要です。

粘土状のペーストを専用のトレーに盛ってお口の中に入れて歯型を取りますよね。

これは「印象」という作業です。印象に使用する素材はアルジネートまたは、シリコンを用います。

その後、石膏を注入して歯型の模型を作ります。

歯型模型は技工所へ送られ、歯科技工士が詰め物、被せもの、入れ歯などの歯科技工物を作製します。

オーダーメード、手作りの作業で、とても丁寧に作製されます。

 

印象と感染の関係

印象の際、どうしても唾液、血液が付着することがあります。

唾液、血液は感染するリスクがあるものという取り扱いになるので、

そのまま石膏を注入すると、感染性物質が歯型模型に転写されます。

汚染された歯型模型で技工物作製の作業に入ると、触る、削ることで粉塵がでます。

粉塵等によって歯科技工士および歯科技工所への感染リスクが高まることになり、

感染をどんどん拡大させることになります。

 

※スタンダートプリコーション(標準予防策)の概念では、汗、涙をのぞく全ての

血液、体液は感染する可能性があるものとして取り扱うとされています。

何かしらの感染症があろうとなかろうと、感染の可能性、危険性があるものと認識して

常に感染対策を行うという考え方です。

やました歯科医院ではスタンダートプリコーション(標準予防策)の考えを取り入れ、

アメリカのCDCのマニュアルに準拠して感染対策を実施しています。

 

印象と歯科技工物の関係

精度の高い歯科技工物を作製するには、精度の高い歯型模型が重要です。

印象、歯型模型が実際の状態と異なるモノであれば当然、適合は悪くなり、臨床上使うことはできません。

そのため、印象、石膏の注入には細心の注意を払っています。

 

とくにアルジネートは親水性で寸法変化も起こりやすいため、印象後は速やかな石膏の注入が必要です。

ずっと昔の先生で、「印象は生き物だから水洗いなどもっての外!すぐに石膏を流して!」なんて

いうこともありました。(生きた魚を手で触ると、魚が火傷するよ!!くらいの勢いで言います)

唾液や血液が付着したまま、石膏を注入するとどうなるでしょうか・・・

今となっては恐ろしい話です。

 

消毒の実際は?

日本補綴学会のガイドラインでは、印象後は水洗し、消毒をすることになってます。

 

水洗

水洗方法はアルジネートで120秒、シリコーンで30秒となっています。

臨床でよく使用されるアルジネートは親水性のため、少しの水洗ではかえって汚染を拡大

するだけとなり、しっかりと水洗する必要があるとされています。

トイレ後の手洗いで、水を手に少し濡らす程度は汚染を拡大していることと

変わらないという報告と同じのようです。

シリコーンは疎水性で水をはじくため、30秒ほどの水洗で対応できるそうです。

 

続いて消毒

ガイドラインでは

①0.1~1.0%次亜塩素酸ナトリウム溶液に15~30 分間浸漬する
②2~3.5%グルタラール溶液に 30~60 分間浸漬する

①および②のいずれかとなっています。

 

歯科における印象は特殊で、消毒効果を上げるために水洗、消毒を過度にすると

印象体の劣化、変形が大きくなることがあります。「使い物にならない!!」

感染対策を講じるうえで、しっかりと根拠のある上述のガイドラインは参考になります。

また、歯型模型になった状態での消毒は素材の特性上困難なため、やはり印象体の消毒が

重要ともされています。

 

やました歯科医院では、日本補綴学会のガイドラインに沿って印象体の消毒を実施しています。

消毒に関しては、上述のグルタラールは従事者への健康被害の可能性があるため使用していません。

印象体専用の消毒薬が市販されていて、上述の次亜塩素酸濃度で印象の消毒が行えます。

また、アルジネートの変形を防ぐ固定剤も配合されており、少しでも精度を維持できるようになっています。

 

 

おわりに

感染対策に関して、コロナ以降さまざまなことがなされるようになりました。

コロナ以外にも感染対策は重要です。

やました歯科医院では、患者さんが何らかの感染の有無に関わらず、すべての方に対して

感染対策を実施する「スタンダートプリコーション(標準予防策)」を開業時から実施しています。

昨今の歯科医院でも実施するところは増えてきています。

医療機関および従事者を介して患者さんから患者さんに感染を広げる(水平感染)を防止することは

重要で、患者さん、医療従事者の双方を守るためにも重要な方策です。

いつも精度の高い歯科技工物を作製している歯科技工士への感染対策も重要です。

 

歯型を取ったあとのことは考える機会はあまりないと思いますので、

感染対策の一つとしてご興味がでて下されば幸いです。

 

 

大阪市福島区 助産師のいる歯科医院 福島、新福島駅からすぐ近く

(当歯科医院の特徴やコンセプトはコチラをご覧ください⇒https://yamashita-dnt.com/ )

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