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やました歯科医院では初めてご来院いただく患者様に限り、インターネットからいつでもご予約いただけます。必ず以下の注意事項をお読みの上ご利用ください。
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こんにちは。大阪市福島区 やました歯科医院です。
前回のブログ「歯はどうして痛くなるの?」では歯が原因の痛みについてお話をしました。
前回のブログ⇒(歯はどうして痛くなるの?)
今回は「歯の周りの痛み」についてお話を進めますね。
歯はその周りの歯肉と骨で支えられていて、それらを歯周組織といいます。
歯周組織は①歯肉 ②歯根膜 ③セメント質 ④歯槽骨 の4つから構成されます。
①歯肉:お口のなかに見えている部分です
②歯根膜:歯の根っこ部分(歯根)の歯根膜という組織があり、歯槽骨とつながっています。
この歯根膜はクッションあるいはセンサーの働きもあり、例えば食事中に異物などを
咬んだときに気がつくのは歯根膜のセンサーとしての役割のおかげです。
③セメント質:歯根の周囲はセメント質でおおわれていて、歯根膜を介して歯槽骨に固定されています
④歯槽骨:いわゆる顎の骨。歯は歯根膜を介して歯槽骨に植立されています。
・歯周組織の痛みは細菌感染による歯肉、歯根膜、歯槽骨の急な炎症で生じます。
急な炎症には2つの原因が考えられます。
①根尖性歯周炎:歯髄(歯の中にある神経)が死んでしまい、
その後、歯根の先端に炎症を引き起こした状態
②辺縁性歯周炎:歯周組織の感染によって歯周ポケットを形成して炎症が引き起こされた状態
痛みの特徴,局所および痛みを生じる状況は似ていますが、
症状の原因は異なりますの、少し詳しく説明します。
①根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)
冷たいもの、熱いものを食べて、歯がしみる状態があります。
その時は一過性の「歯髄炎」が生じています。一過性なのでしばらくすると症状はなくなります。
う蝕などをが進行し、常に歯髄が外部からの刺激にさらされ続けると歯髄は弱ってしまい、
最終的には死んでしまいます。(歯髄壊死、歯髄失活といいます)神経はデリケートな組織です。
ここまでは前回のブログでもお話しました。過去ブログ→歯はどうして痛くなるの?
さらに放置すると、歯髄腔(歯の内部、神経・血管が入っている部分)に細菌感染を生じて歯髄が腐敗します。
(歯髄壊疽といいます)この時、強烈な痛みが生じます。
そして歯髄腔内の細菌感染が根尖(歯根の先端)部分の根尖孔(神経・血管が出入りする孔)から
歯の外部に波及します。その結果、歯根の先端あるいは周囲に炎症が生じて、
膿がたまった状態などの「根尖性歯周炎」となります。
急性期では強烈な痛みがありますが、慢性状態では痛みではなく、違和感程度といった症状です。
辺縁性歯周炎の痛みは急性の根尖性歯周炎の痛みととてもよく似ています。
持続性の痛みがあり,咬んだ時に痛みは強くなります。
目に見える歯肉の腫れと発赤が特徴です。また、その歯は動揺している場合もあります。
より重篤な場合,炎症性の腫脹,発熱,悪寒を伴うこともあります。
辺縁性歯周炎の場合、深い歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)が存在します。
もし歯周ポケットからの排膿があれば,痛みは軽減します。
通常、歯髄(歯の神経)は生きていて、温度変化や電気的な刺激に正常な反応を示しますが、
場合によっては知覚過敏を起こすこともあり、さらに辺縁から逆行性に歯髄炎を引き起こすこともあります。
上記の辺縁性歯周炎によるものを除くと、歯肉の痛みは
何らかの刺激によって歯周ポケットに生じる急性の炎症によって引き起こされます。
食事後などで歯と歯の間に食べかすが詰まることで生じる歯肉の痛みです。
圧迫感を伴う痛みと、不快感があります。
詰まった食べかすを取り除くと痛みは軽減します。
ただし、なぜ食片がはまり込んでしまうのかを探索しなければなりません。
歯と歯の間にう蝕? 以前に治療した部分の不具合? 歯並びの影響? 歯周病の進行?
食片圧入は歯科治療によって歯と歯の接触関係を改善することで消失します。
特に下顎の親知らずで、斜めに生えているなどで歯を覆っている歯肉が
不衛生となって炎症、感染を起こした状態です。
非常に強い痛みと腫れを伴い、重症な場合は嚥下(飲み込み)時の痛み、開口困難となることもあります。
さらに重篤な場合、下顎から喉にかけて腫れと感染が波及した場合には呼吸困難をおこす場合もあります。
ここまで重篤な場合は生命に関わりますので一刻も早く病院歯科口腔外科などでの処置が必要となります。
アフタ性口内炎がこれにあたります。
また、口腔内全般に生じる痛みは広範囲な感染によるもの、
あるいは全身疾患にともなうものが多くあります。
細菌、真菌の感染から生じるものもあります。
歯の痛みといってもさまざまな原因で生じます。
急な痛みは日常生活に支障をきたしますし、非常につらい状況です。
つらい症状があるときには、早期の来院となりますが、
歯科医院での定期的なチェックと清掃もおすすめします。